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130523 キリスト教徒に対する不信感

だから日本人は戦争を選んだ
05 /23 2013
P1010259
また、コエリョは秀吉に取り入ろうとして様々な提案をしていますが、こうした提案がキリスト教徒の侵略を恐れる秀吉の猜疑心を刺激する結果になります。

例えば、秀吉が明に攻め込もうと考えていると述べた際、コエリョはポルトガル船の調達やインドからの援軍を要請するなどと話しました。
思慮深い政治家であった秀吉は、こうしたコエリョの提案に対し喜んだふりをし、そうした際には多大の恩恵を与えるとまで約束します。
しかし、秀吉は内心ではキリスト教徒たちに対する不信感を強めていきます。
キリスト教徒たちが提案することによって強大な軍隊を動かせるという点が気にかかったからです。
すなわち、キリスト教徒たちがその気になれば、日本を侵略するための軍隊が派遣される可能性があるのではないかと秀吉は考えたのです。

他にも、秀吉がキリスト教徒に対して不信感を強めた理由があります。
それは、コエリョがキリシタン大名を支援する目的で作った軍艦の問題です。
コエリョは秀吉が九州平定戦のために博多に赴いた際、この軍艦に乗って秀吉に面会を求めたのです。
秀吉は自らその軍艦に乗り込み、仔細に観察、検討しました。
ここでもコエリョに対しては、立派な軍艦であると褒めちぎったのですが、彼の本心が別にあったことはいうまでもありません。
彼は、キリスト教徒たちがこうした軍艦を所有していることに、驚き、かつ不信感を強めたのです。



岩田 温 著  だから、日本人は「戦争」を選んだ より抜粋




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