日常非日常

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150227 深刻化する「校内暴力」「性問題」 1 

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日本では「神戸小学生殺人事件」などをめぐって、青少年犯罪の悪質化と大衆文化との関係がとりざたされることが多くなっている。
韓国でも少々事情が違うものの、「青少年と大衆文化」の問題は、いまや国家・社会の一大事と化しつつある。


PB091333
韓国では1997年の9月から、頻発する中学・高校生の「校内暴力」対策の一環として、一定の期間、制服警官を学校内に配備し、警戒にあたらせるようにしている。
「校内暴力」といっても、韓国でいま問題となっているのは、かつての日本の中学校を嵐のように襲った「対教師・対学校暴力」といった性格のものではない。


PB091338
大人たちやマスコミは「校内暴力」という言葉を使っているが、教師や子どもたちは日本語の「イジメ」を使うことが多い。
2年前に帰国したときに、親戚の子どもたちから、「日本のイジメはなぜ起きるのか」「どれくらい深刻なのか」ということを盛んに聞かれた。
韓国の学校でもイジメが多くなっていて、教師たちから(わが国の学校ではイジメがあってはならない」としきりにいわれているという。


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そのとき私は、彼らがイジメという日本語を使っているので、日本の学校で問題となっている「あの陰惨なイジメ」が韓国でも起きているのかと思った。
しかしよく話を聞いてみると、そういうイジメもあることはあるが、彼らがイジメと称している問題はそうではなく、生徒間での直接的な集団暴力行為のことなのである。


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韓国の「校内暴力」は、徒党を組んだ少年たちが、数名で一人の子どもに集団的な暴力を加える、というのが基本的なパターンだ。
殴ったり蹴ったりの暴力がエスカレートして、最近では鉄パイプでめった打ちにしたり、みんなして煙草の火を皮膚に押し当てる、などの残酷さをみせはじめている。
こうした傾向が、2、3年前から男子高校生のあいだで目立つようになり、すぐに中学生に広がり、今では一部の小学生、女子学生にまで波及している。


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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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150221 ママさんハウスで成功した女 3-3 

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いかにも世間を知ったかのような口ぶりが、トントン拍子に成功した者の天真爛漫さから勢いよく飛び出す。
確かに、韓国では小銭を使うのは一人前の男がすることではないとされる。
私も小さいころ、勤めから帰って着がえた父のズボンのポケットから、いつもジャラジャラと小銭が出てくるのが面白くて、父が帰るたびにポケットを探って遊んだものである。


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ある土地で成功した者なら、他の土地で生きづらさを感じれば帰ることもできる。
しかし日本で働く韓国人ホステスたちのほとんどが、彼女にようには決して帰ることのできない、母国での失敗者であり、またはずされた者たちなのだ。


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25歳は結婚適齢期の上限であり、働く女性の年齢の上限でもあることは、酒場でもママさんハウスでも変わりはない。
水商売をして25歳を過ぎた女が働ける場所が韓国にはない。
だから彼女たちの多くが日本を目指す。
同様に、離婚をした女たち、処女を失った結婚前の女たちを受け容れる場は韓国には水商売しかない。
そして同国人の目を気にする彼女たちがまた、日本を目指すのである。


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 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋



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150220 ママさんハウスで成功した女 2-3 

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彼女はすでに充分なお得意のお客さんを持つようになったので、1年3カ月ほどでママさんハウスをやめ、自分のマンションで商売をするようになった。
そうして彼女は1カ月に400万ウオン(80万円)から500万ウオン(100万円)を稼ぐことができるようになった。


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故郷へは、ソウルで偶然に会った人がいろいろと助けてくれているからと言って、家族のために家まで買ってあげた。
ソウルで高級自家用車を乗り回し、洗濯なんてやったことがないと言う彼女は、大企業の部長クラスの家族よりも数段豊かな暮らしをしている。
ちなみに、ソウルの大手企業の部長クラスの給料は70万円から90万円ほど。


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彼女が日本へやって来たのはほんの好奇心からだった。
そして来てみて、彼女は日本人があまりにもケチなことに驚いたという。
だった、そうでしょう? と言って、彼女なりの印象をこう語った。


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「お金を払うのにね、10円玉から100円玉までポケットから引っ張り出して数えてるじゃない? あれが男なの? なんて心がせまいのかしら、私はもう韓国へ帰るわ。日本にいてもつまんないもの」

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 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋




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150219 ママさんハウスで成功した女 1-3 

PB061326
日本に来て6カ月だというホステスと話をしていたら、彼女は韓国でママさんハウスにいたことがあると言う。
話を聞いてみると、彼女はまるで典型を絵に描くようにして水商売の女への道を歩み、そしてかなりの成功を収めたタイプだった。


PB061329
彼女は全羅道チョンラドの出身。
田舎の中学を出て家の手伝いをしていた。
一家は貧しかったが、両親は弟をなんとか高校に入れたいと望んでいた。
そうした家庭の事情を受けて、彼女はソウルに出て工場に勤めたのだったが、まもなく先輩の口車に乗ってママさんハウスに身をおくようになったいった。


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彼女のその美しい顔立ちのせいだろう、次から次へと上等のお客がついていった。
そして2、3カ月後には日本人の愛人を獲得し、1900万ウォン(380万円)のマンションをプレゼントしてもらった。
それが3年前のこと、いま(1990年)ではそのマンションは9000万ウォン(1800万円)になっているという。


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日本人の愛人は1カ月に1回韓国にやって来るのだが、そのときには必ず連絡してくる。
彼女は普段はママさんハウスにいて、マンションには家政婦をおいて電話の番をさせておき、愛人から電話があれば家政婦から連絡を受けて出かけていくのである。

  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150217 少女たちをママサンハウスに引き入れるテクニック 2-2 

PB031315
「いままでお客さんを世話していたのは、ほんとは私じゃなくて別の人なのよ。紹介してあげるから、これからはその人を通してやってね」
そう言われて引き合わされるのが、ママさんハウスの女主人である。
ママは彼女を美人だとほめたたえながら次のように言うのである。
「あなたならいいお客が取れるから、いくらでもお金を貸してあげられるわ。500万ウォン(100万円)までなら保証人も担保もなしでいいのよ。それに、私の亭主はもと警察官だからね、捕まることも心配しなくて大丈夫よ」


PB031314
ひとたび身分不相応なお金を手にして知ってしまった贅沢の味、そして最大限にくすぐられる女の虚栄心。
ほとんどの女たちは喜んでママからお金を借りるのだが、やがて、たまにお客を取る程度では、とても借金を返していけないことに気づいていく。
女たちがそろそろ困りはじめたころを見計らって、ママは女たちに声をかける。


PB031316
「店員さんをやっていると時間もないでしょうし、エネルギーもけっこういるでしょう? たくさんお客さんを回してあげるから、この仕事に専念したら? それにね、あんた、もっと親孝行しなきゃだめよ。はい、これで国の親御おやごさんを喜ばしてあげなさい」
そう言ってママは、100万ウォンから200万ウォンを女たちに握らせ、「あとで返せばいいからね」とささやく。


PB031319
この瞬間には、だれもが「なんて親切なママさんなんだろう」と心から感激してしまう。
この世間のどこにも、いままでこんなに自分に親切にしてくれた人はいなかったーー。
心からそう思うのだそうだ。
このように、田舎から出てきた固いつぼみのような少女でも、また「お母さんのようにはなりたくない」と言って女の自立をめざした都会の少女でも、驚くほど短期間のうちに、プロの売春婦に身を転じてしまうシステムが、巧妙に形づくられているのだ。


註)ママさんハウスーー外国人専門の売春宿のこと


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150216 少女たちをママサンハウスに引き入れるテクニック 1-2 

PB031300
ママさんハウスの経営者は、もと警察官かその妻であることが多い。
外国人を相手にするには一流のホテルを利用する必要があるが、こうしたホテルでは売春のチェックが厳しく、逮捕される危険性も高い。
そのため、裏の事情をよく心得ている警察官出身者がこの商売に手を出すことが多いのだ。


PB031302
ソウルのチョンノサムガ(鐘路三街)に行ってみると、ママさんハウスが軒>rt>のきを連ねている。
近くには、韓国の企業が外国のお客を招待するときには必ずといってよいほど利用する一流の料亭街がある。


PB031309
この地の利を生かして、ママさんハウスは外国人観光客を狙うのである。
この地は住宅街ではないが、一般住宅にもまだ時折見られる、古典的な瓦葺の屋根を見せる家があちこちに建っている。
それらのほとんどはママさんハウスである。
他にはイテウォンなどにも多く見られるが、表面的にはまったくただの下宿屋を装っているのがママさんハウスの特徴だ。


PB031310
韓国の女は自尊心が高いので、一足とびにママさんハウスに来る者は少ない。
そこで韓国のプロたちは、本業はブティックや美容院の店員で、たまの小遣い銭稼ぎに売春をしているのに過ぎない、という体裁を彼女たちのためにつくっているのだ。
こうして少し売春に慣れてくると、次にはママさんハウスの女主人に紹介される。


註)ママさんハウスーー外国人専門の売春宿のこと


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150211 愛人を手に入れた女子留学生 4 

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「日本に来て1年くらいホステスしていたの。で、お客さんのなかで私をとっても可愛がってくれる人がいたたのね。その人がホステスはやめろって言うの。だからいまは学校に通うだけなんだけど・・・。ねえ、一度私のマンションに来てよ。その人が買ってくれたんだけど、とっても広いのよ。その人のおかげでね、これまでみたいに学費とか生活費とか心配することがなくなって、いまはほんとに幸せに暮らしているわ。だからオンニに心配かけることは何もない」

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なぜ私はこうした話を聞くたびに悲しくなるのだろう。
なぜ本人が幸せそうにしているのに心から喜んでやれないのだろうーー。
いや、ほんとうの幸せなんてそんなものではないはずだ。
宝石のように、たかが自然な美形が珍重されているだけではないかーー。
心情、倫理、幸福、女・・・それらをめぐる意識が頭のなかでショートし、まるで壊れたネオンサインのようにジージーと音をたてているようだ。


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彼女は私が黙っているので手もちぶさたなのだろう、きれいな緑色の石のついた指輪をくるくるともてあそんでいる。
ヒスイだろうか、エメラルドだろうか。
それまでは気がつかなかったけれども、よく見るとブラウスもスカーフも、その素材とデザインは大胆でしかも上質なものである。


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どんな男がこの子を、という興味が頭をもたげて聞いてみると、60歳近い既婚者だという。
彼女は確か21、2歳だった。
「どんな人って・・・そうねえ、週に1回はマンションに来てくれるの。とても優しくしてくれるのよ。ねえ、日本の男の人って本当に優しいのね、そうでしょう? 私、卒業したら韓国に帰るつもりだったけど、何となく気が進まなくなっちゃったなあ。それでね、できたら日本で就職したいと思うんだけど、どうかしら?」


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なぜ、あなたはそうなってしまったの?
もし私がそう言ったとしても、会話にならないことははっきりしている。
彼女は手に入れたいまの生活に微塵も疑問をもってはいないのだ。
それがまた彼女一人のことではないだけに、私はそれ以上話を進めるべき言葉を失ってしまう。


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150209 愛人を手に入れた女子留学生 3 

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もう一人、次にお話ししようと思う女子留学生は、私が韓国で妹のように可愛がっていた後輩である。

ある日街を歩いていると、後ろから「オンニ(お姉さん)」と呼ぶ、懐かしい声がきこえた。
ふり返ってみると、そこに彼女がいた。
彼女は韓国の古典舞踊の一流の踊り手で、小さいころから名手の名をほしいままにしてきた。
その彼女がいま、日本に留学中だという。


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私は韓国に帰るたびに彼女とは連絡をとるようにしていた。
それがここ数年音信不通になっていたのだが、まさか彼女が日本にいるとは知らなかった。
日本にいるのならばなぜ連絡してくれないのか、いろいろと助けてあげることもできるだろうにと、一瞬腹立たしさを感じたのだがすぐに思い直していた。


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というのは、才能のある彼女のことだから、それなりに芸術家方面からの充分なバックアップもあり、生活の苦労をすることもなしに踊りの腕を磨いているのだろうと思ったからである。
彼女の母親も、彼女のために英才教育の労を惜しむことなく、まるで宝もののように育てていた。



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「どうしているの?」
と歩きながら聞くと、思いもかけない答えが返ってきた。
「いまね、前にホステスをしてたときのお客さんに、とてもよくしてもらっているのよ」
めまいに似た感覚と熱いものが込み上げてくる感覚に言葉がつまり、私は無言のまま彼女を連れて近くの喫茶店に入った。


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私がどのような思いでいるかが、まるで伝わっていないことが明白な彼女の明るい顔。
なぜそんなにもあどけないままでいられるのだろう?


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150208 愛人を手に入れた女子留学生 2 

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彼女は卒業とともに韓国へ帰ったのだが、まるで就職口がなかった。
どんなに実力があっても就職できないし、また歳をとればとるほど身のおきどころがなくなっていく、それに「日本帰り」には何ら価値がないどころかかえって軽蔑される・・・・・・。
母国での体験の不条理が、乾いた平坦なトーンで語られる。


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「大学を出たという資格があるだけの話なのよ。それがまるでお金に結びつかないわけ。デザインは好きだけど生活できなくちゃどうしようもないわね。日本帰りが韓国で生きていくには、なんといってもお店の一つでも持てるくらいじゃないとやっていけないわ。お金がなくちゃだめなのよ。だから酒場で働く気になったの。それだったら日本で働く方がずっと収入がいいから、また日本へ舞い戻ってきたというわけ。私ね、お店ではナンバーワンなのよ。ママもね、私のことを一番大事にしてくれるの」
そう言って上手にウィンクをしてみせる彼女の顔は、確かな満足を表していた。


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「でもね、もう韓国へは帰らないわ。あの国へは帰りたくない。愛人がいるのよ。日本の男性だけど、気前がよくて優しいわ。あの人と一緒にずっと日本で暮らしたいわ」
豊満な女の横顔の奥には、ほんとうにあどけない少女の顔が依然として宿っていた。


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150207 愛人を手に入れた女子留学生 1 

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ホステスとなり、また日本人男性の愛人となっている女子留学生を、私は直接に何人も知っている。
また、人づてに聞かされることもたびたびである。
そうなってくると、私のような存在の方が珍しいのではないかとも思えてきてしまうのである。
ここで私の知る二人の女子留学生の話をしてみよう。


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あるとき、日本への飛行機の中で隣り合わせになったことがきっかけで、仲よくなった女子留学生がいた。
しばらくつきあいがなかったのだが、3年ぶりで彼女から連絡があり、久しぶりに新宿歌舞伎町のある喫茶店で再会した。


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当時、デザインを専攻していると私に語った彼女は、夢見るような愛くるしさを満面にたたえた少女だった。
3年ぶりに会った彼女の顔は、充分に成熟した女の魅力を備え、またそれをちゃんと自覚している者のそれであることがすぐに見てとれた。
「さすがに大人っぽくなったわね」
と私からと話かけると、「そうね」と言うや、彼女は素早い口調で独白をはじめた。


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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