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150704 おわりに 「反日」を捨てる韓国  呉 善花 

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150704 おわりに

韓国ではようやく、朝鮮戦争時の韓国軍による民間人大量虐殺事件の一部が公にされました。
朝鮮戦争をめぐっては、他にも公にされていない非人道的な事件がたくさんあるのですが、まもなくそれらもすべて明るみに出されることになるでしょう。


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また金大中大統領は先ごろ、1948年に韓国済州島で起きた8万人にものぼるといわれる民間人の大量虐殺事件について議会の調査を認める法案に署名しました。

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第二次世界大戦後55年を経過してやっとここまでーーーこれだけ遅れたのは、北朝鮮の脅威がいまとは比較にならないほど大きかった事情と無縁ではありませんが、それにしてもなんという長い時間がかかったことでしょう。

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ともあれ、自らの内部に隠すだけ隠し続けてきた罪過や汚点を白日の下にさらけ出し、溜まるだけ溜まってきた膿を絞れるだけ絞り出していく作業が、ようやくその途についたことを喜びたいと思います。
ほんとうの反省はそこからしかはじまることはないのですから。


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「反日」を捨てる韓国という流れは、庶民の心のなかではとっくに主流を形成していたものでした。
それがやっと知識人たちのあいだにも浸透するようになってきたというのが、いまの新しい流れだといってよいでしょう。


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この流れが今後、急流を形成していくのか、あるいは静かな流れとして進むのか、さらにはよどんだり停滞したりしながら遅々たる流れをみせていくのかは、社会の各層、各諸相でさまざまな現れ方をしていくと思います。
しかし、もはや全体としての大きな流れは止めようがありません。
けっして逆流することはないでしょう。


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私はけっして未来予測をしているのではありません。
韓国に「反日」を克服する意識の水準がはじめて生まれたということ、それがいいたいことにほかなりません。
そして、現在進行中のこの体験が、必ずや日本と韓国の関係をよりよいものとしていくことを信じるものです。


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本書に収録された論考に掲載の機会を与えて下さった各誌編集者の方々と、本書への再録を快く承諾された各社に感謝いたします。

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それら諸論考を丹念に読み拾って下さり、加筆・新稿を加えて一冊の本に仕上げることを勧めて下さったのは、PHP研究所第一出版部の白石泰稔氏です。
本にまとめられる労をとられた同氏とPHP研究所のみなさんに感謝の意を述べたいと思います。

     2000年2月吉日

呉 善花     



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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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150624 重たい扉が開かれつつある 2-2 

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150624 日本なくして韓国なし

重たい扉が開かれつつある
 2-2

韓国が反日感情、反日思想、反日教育を乗り越えることができるかどうかも、こうした機運の今後の動きにかかっている。
自らの歴史、文化、民族性の内側を真摯に深い反省意識を持って見つめていくならば、日本とのいきさつについても、これまでとはまったく異なった見え方がしてくるはずだ。


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私自身の体験からいっても、身の内にしみこんだ反日感情も、頭に強く刷り込まれた誤った日本認識も、実際の日本人、実際の日本社会、実際の日本文化との、時間をかけた深い接触体験のなかで、必ず乗り越えていくことができる。
あるところまで行けば、韓国人が最も日本を理解できるのではないかとすら思う。


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かつての、日本人と生活をともにした植民地時代について、いい時代だったと懐かしむご老人は、実は韓国に少なくないのである。
それなのに、そんなことはまるでなかったかのように、「差別された体験」「差別的な制度や法」だけをもって、すべてを「おぞましき体験」と決めつけてきた戦後の歴史。
この歴史にまで真摯で深い反省意識の視線が入り込むことが可能になったとき、あらゆる反日は超えられていくだろう。
そうなるのかどうかはわからない。
ただ、そうした可能性へ向けての重たい扉がいま、少しだけ開かれつつあることを感じている。


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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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150623 重たい扉が開かれつつある 1-2 

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150623 日本なくして韓国なし

重たい扉が開かれつつある
 1-2

アメリカとの全面戦争の結果の敗戦を体験している日本からすれば、その程度のことで意気消沈するほどのショックを受けるなんて、ちょっと情けないじゃないか、ということになるかもしれない。
客観的にいえばそのとおりだと思う。
しかし、朝鮮王朝の滅亡については「日帝の横暴」と、朝鮮戦争については「共産主義の横暴」と、いずれについても被害者意識を持って自己肯定していくことが可能だった。
そこで戦後韓国は、反日と反共を愛国精神の要として国をまとめてきた。
「自らに被害を加えた敵」があってこそ、韓国が力を発揮しえてきたところが多分にあったといってよいだろう。


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それが今回の「敗戦」では外部に加害者を求められない。
自らの意思で戦って自らの力が不足していたために敗れたのだと認めざるをえない。
韓国人がこんなふうに敗北を体験したのは、歴史的にもはじめてのことだった。
そのための大ショックなのである。


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外に敗因を求められなければ内に求めるしかない。
そこに、韓国が大きく変身をとげていける可能性がある。
いまだ本格的な追及に入ったとはいえないが、先に述べたように、いまの韓国に起きている、これまでに見られなかったさまざまな現象から、そのような機運が広がっていることだけはたしかだといえる。


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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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150616 韓国人の自己反省 3-3 

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150616 日本なくして韓国なし

韓国人の自己反省
 3-3

これもまた、儒教社会への反省はいいが、なんでもかんでも儒教に罪をかぶせるのはまちがいだし、物事はそう簡単に右から左へと乗り代えていけるものではない、というしかない。
この本の好調な売れ行きをにらんで出版されたのが『孔子が生きれば国が生きる』(チェ・ビョンチョル著、シア出版刊)である。
先の本に反発した儒学者が書いたもだが、とくに儒教思想に基づいた国家再建策を述べたものではない。


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その主張は「孔子を殺して伝統を破壊した末にアメリカ的な自由主義に従う特殊な世界化」が出現しても、ほんとうに人間的な権利を味わうことはできないということと、孔子をおろそかにしたからこそ不正や腐敗や家族解体が蔓延した、ということに集約されている。
「西欧の対立的な構造や機械的な思考だけでは人類は救えない。儒教の世界観は有機体的な調和理論である」(同書)
しかし、そこから先への展開が何もないので、やはり話にならないというしかない。


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また、この本とは正反対に、『私はIMFが好きだ』(キム・ミギョン著、プルンソウル刊)という、IMFをリベラルな社会の象徴と見て、その積極的な受容を説きつつ旧来の儒教的な韓国社会を批判した本もある。
また『大韓民国上流社会』(イ・ソギョン著、ベストセラー刊)では、「IMFその最たる敵は内部にある」として、上流階層の人々の金遣いの荒さをやり玉にあげ、この一握りの贅沢集団こそが韓国が亡ぶまでに至らせた、と主張している。


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以上のような書物がよく売れているのだが、どう見ても、いずれも本格的な韓国の側の「敗戦」の要因に光を当てていこうとするものとはお世辞にもいえない。
これについてはまだまだ時間がかかりそうだ。


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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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150604 韓国人の自己反省 2-3 

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150612 日本なくして韓国なし

韓国人の自己反省
 2-3

こうした反省の仕方にまったく意味がないとはいわないが、そこで批判の対象となっているのは不道徳な行為であって、なんら問題の本質ではない。
韓国が朝鮮王朝の悪しき体質から脱却できないままに戦後を歩んできたことはたしかだ。
しかし、それはたんに不正腐敗として指摘できるものではなく、小中華主義、事大主義、侮日観、専制主義などのイデオロギー的、文化的な独善性に深く支えられたものだ。
残念ながら著者の批判はそうしたところへはほとんど届いていないのである。


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考え方や価値観の反省としては『孔子が死ねば韓国が生きる』(キム・キョンイル著、バダ出版社刊)がある。
これは「我が社会の弊害の要因は儒教にある」という立場からのものである。
「儒教文化は政治的欺瞞と偽善、男性優越、若さと創意性の抹殺(目上の者に従うシステム)、死体崇拝(先祖崇拝)を生んだ憂鬱さでしかなかった」(同書)
これが朝鮮王朝の統治イデオロギーとなり、いまなお韓国人の暮らしの中に入り込んでいると著者はいうのである。
そして、もはや儒教の時代は終わった、儒教を捨て「これからは情報化時代にふさわしいアメリカ式に従っていかなくてはならない」と結論する。


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呉 善花 著 「反日」を捨てる韓国 より抜粋


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