日常非日常

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150221 ママさんハウスで成功した女 3-3 

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いかにも世間を知ったかのような口ぶりが、トントン拍子に成功した者の天真爛漫さから勢いよく飛び出す。
確かに、韓国では小銭を使うのは一人前の男がすることではないとされる。
私も小さいころ、勤めから帰って着がえた父のズボンのポケットから、いつもジャラジャラと小銭が出てくるのが面白くて、父が帰るたびにポケットを探って遊んだものである。


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ある土地で成功した者なら、他の土地で生きづらさを感じれば帰ることもできる。
しかし日本で働く韓国人ホステスたちのほとんどが、彼女にようには決して帰ることのできない、母国での失敗者であり、またはずされた者たちなのだ。


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25歳は結婚適齢期の上限であり、働く女性の年齢の上限でもあることは、酒場でもママさんハウスでも変わりはない。
水商売をして25歳を過ぎた女が働ける場所が韓国にはない。
だから彼女たちの多くが日本を目指す。
同様に、離婚をした女たち、処女を失った結婚前の女たちを受け容れる場は韓国には水商売しかない。
そして同国人の目を気にする彼女たちがまた、日本を目指すのである。


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 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋



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150220 ママさんハウスで成功した女 2-3 

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彼女はすでに充分なお得意のお客さんを持つようになったので、1年3カ月ほどでママさんハウスをやめ、自分のマンションで商売をするようになった。
そうして彼女は1カ月に400万ウオン(80万円)から500万ウオン(100万円)を稼ぐことができるようになった。


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故郷へは、ソウルで偶然に会った人がいろいろと助けてくれているからと言って、家族のために家まで買ってあげた。
ソウルで高級自家用車を乗り回し、洗濯なんてやったことがないと言う彼女は、大企業の部長クラスの家族よりも数段豊かな暮らしをしている。
ちなみに、ソウルの大手企業の部長クラスの給料は70万円から90万円ほど。


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彼女が日本へやって来たのはほんの好奇心からだった。
そして来てみて、彼女は日本人があまりにもケチなことに驚いたという。
だった、そうでしょう? と言って、彼女なりの印象をこう語った。


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「お金を払うのにね、10円玉から100円玉までポケットから引っ張り出して数えてるじゃない? あれが男なの? なんて心がせまいのかしら、私はもう韓国へ帰るわ。日本にいてもつまんないもの」

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 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋




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150219 ママさんハウスで成功した女 1-3 

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日本に来て6カ月だというホステスと話をしていたら、彼女は韓国でママさんハウスにいたことがあると言う。
話を聞いてみると、彼女はまるで典型を絵に描くようにして水商売の女への道を歩み、そしてかなりの成功を収めたタイプだった。


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彼女は全羅道チョンラドの出身。
田舎の中学を出て家の手伝いをしていた。
一家は貧しかったが、両親は弟をなんとか高校に入れたいと望んでいた。
そうした家庭の事情を受けて、彼女はソウルに出て工場に勤めたのだったが、まもなく先輩の口車に乗ってママさんハウスに身をおくようになったいった。


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彼女のその美しい顔立ちのせいだろう、次から次へと上等のお客がついていった。
そして2、3カ月後には日本人の愛人を獲得し、1900万ウォン(380万円)のマンションをプレゼントしてもらった。
それが3年前のこと、いま(1990年)ではそのマンションは9000万ウォン(1800万円)になっているという。


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日本人の愛人は1カ月に1回韓国にやって来るのだが、そのときには必ず連絡してくる。
彼女は普段はママさんハウスにいて、マンションには家政婦をおいて電話の番をさせておき、愛人から電話があれば家政婦から連絡を受けて出かけていくのである。

  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150217 少女たちをママサンハウスに引き入れるテクニック 2-2 

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「いままでお客さんを世話していたのは、ほんとは私じゃなくて別の人なのよ。紹介してあげるから、これからはその人を通してやってね」
そう言われて引き合わされるのが、ママさんハウスの女主人である。
ママは彼女を美人だとほめたたえながら次のように言うのである。
「あなたならいいお客が取れるから、いくらでもお金を貸してあげられるわ。500万ウォン(100万円)までなら保証人も担保もなしでいいのよ。それに、私の亭主はもと警察官だからね、捕まることも心配しなくて大丈夫よ」


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ひとたび身分不相応なお金を手にして知ってしまった贅沢の味、そして最大限にくすぐられる女の虚栄心。
ほとんどの女たちは喜んでママからお金を借りるのだが、やがて、たまにお客を取る程度では、とても借金を返していけないことに気づいていく。
女たちがそろそろ困りはじめたころを見計らって、ママは女たちに声をかける。


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「店員さんをやっていると時間もないでしょうし、エネルギーもけっこういるでしょう? たくさんお客さんを回してあげるから、この仕事に専念したら? それにね、あんた、もっと親孝行しなきゃだめよ。はい、これで国の親御おやごさんを喜ばしてあげなさい」
そう言ってママは、100万ウォンから200万ウォンを女たちに握らせ、「あとで返せばいいからね」とささやく。


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この瞬間には、だれもが「なんて親切なママさんなんだろう」と心から感激してしまう。
この世間のどこにも、いままでこんなに自分に親切にしてくれた人はいなかったーー。
心からそう思うのだそうだ。
このように、田舎から出てきた固いつぼみのような少女でも、また「お母さんのようにはなりたくない」と言って女の自立をめざした都会の少女でも、驚くほど短期間のうちに、プロの売春婦に身を転じてしまうシステムが、巧妙に形づくられているのだ。


註)ママさんハウスーー外国人専門の売春宿のこと


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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150216 少女たちをママサンハウスに引き入れるテクニック 1-2 

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ママさんハウスの経営者は、もと警察官かその妻であることが多い。
外国人を相手にするには一流のホテルを利用する必要があるが、こうしたホテルでは売春のチェックが厳しく、逮捕される危険性も高い。
そのため、裏の事情をよく心得ている警察官出身者がこの商売に手を出すことが多いのだ。


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ソウルのチョンノサムガ(鐘路三街)に行ってみると、ママさんハウスが軒>rt>のきを連ねている。
近くには、韓国の企業が外国のお客を招待するときには必ずといってよいほど利用する一流の料亭街がある。


PB031309
この地の利を生かして、ママさんハウスは外国人観光客を狙うのである。
この地は住宅街ではないが、一般住宅にもまだ時折見られる、古典的な瓦葺の屋根を見せる家があちこちに建っている。
それらのほとんどはママさんハウスである。
他にはイテウォンなどにも多く見られるが、表面的にはまったくただの下宿屋を装っているのがママさんハウスの特徴だ。


PB031310
韓国の女は自尊心が高いので、一足とびにママさんハウスに来る者は少ない。
そこで韓国のプロたちは、本業はブティックや美容院の店員で、たまの小遣い銭稼ぎに売春をしているのに過ぎない、という体裁を彼女たちのためにつくっているのだ。
こうして少し売春に慣れてくると、次にはママさんハウスの女主人に紹介される。


註)ママさんハウスーー外国人専門の売春宿のこと


  

 '90/12/01発行 呉 善花 著 スカートの風 より抜粋


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